道がなくても突き進め!

まもなく地方移住、気の向くままカキコ

懐かしい香り

 目前となってきた移住だが住まいは実家近くの祖父母が住んでいた家となる。祖父は随分前に亡くなり祖母も数年前に亡くなったので空き家の期間が長くなっていたのだ。そんな家だが先日、引っ越しのために祖父母が使用していた箪笥などの家具類を一気に処分したので家全体が少しガランとした。

 少し落ち着いてから1人で改めて祖父母の家を訪れてみると、不思議な事にまるで自分が幼かった時、祖父母が2人とも健在だった時の空気感を感じた。この家は自分にとっては久しく時が止まり、想い出だけが詰まった家になっていたのだが、久々に懐かしい香りを感じる事ができた。変な話ではあるのだが、まるで祖父母が戻ってきたような、すぐ近くに居るような感じがしたのだ。きっと祖父母が歓迎してくれていたのだと信じたい。

 祖父母には初孫だという事もあり、とても可愛がって貰ったし、何より自分自身も祖父母の事が大好きだった。小学校への通学時も高校への通学時も、この家がちょうど通過点にあり、いつも祖父母が玄関先に出てきて見送ってきれた。そんな頃の家の香りが突如戻ってきたように感じたのだ。きっと歓迎してくれていた、喜んでいてくれたのだと信じたい。祖父母が健在な間に地元に戻って来れなかったのは心残りであるし、後悔は消えないと思う。でも時間はかかったが帰って来れたので、どうか大目に見て欲しい。この家に住めるのは長くはないだろうが、どうか近くで見守っていて欲しいと心から願う。さんざん世話をして貰った孫がこの期に及んで気にかけてもらっているようで申し訳ないような気がしつつも久々に祖父母の会えたような気がして本当に嬉しかった。

 いつも祖母には自分の結婚式に出たい子供を見たいと言われたが、それは終ぞ叶わなかった。どうか許して欲しい。でも結婚は何とかできました。式も挙げられました。子供はまだ分からないけれど、どうか見守っていてください。世話のかかる孫でごめんね。じいちゃん、ばあちゃん本当にありがとうございました。